設立して1年経過

この10月でノーチラスの設立1年という運びになりました。お世話になったお客様・パートナー様・応援して頂いた皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございます。

ということで気づけば一年経過ということで、陳腐なようですが「光陰矢のごとし」の一言に尽きます。思えばこの一年はいろいろありましたというか、有り過ぎました。

■Asakusaの状況Hadoopの使い方としてのバッチ処理」という意義は市場ではアクセプトされた感もあります。この一年は、SI屋さんを始めベンダーさんやトップ・ノッチのエンドユーザーさんでの検証・小手調べの期間だったかな、と思います。結果としては「まぁ確かに速くはなるね」という点と、「まぁ確かに開発効率は高いわね」という二点については、程度の差こそあれ、大抵の利用者・検証者には認識してもらえた感じです。

一年終了時点での市場でのプレゼンスはそこそこには出せているので、まずは及第点ではないかと個人的には思います。ビッグデータ・バブルの中では、地道にやれているかと。

実際、ここ一年の開発は周りの道具立てやら整備やらに費やしたところです。Asakusaも良い意味で速く枯れてきている状態かな、と思います。逆に言うと、アレも出来てほしい、コレも出来てほしいという話もそれなりにあり、対応はしつつも、一方で、そもそもそれはHadoopじゃないでしょう、というものを出つつある、というところかと。

■今後の課題や問題点ある程度の実績も出て来ている状態に加えて、越えるべき課題も見えてきているのが現状でしょう。今後の1年程度のAsakusaの方向性もほぼ明確になっています。今は次期開発バージョンについては、ちょっとステルス・モードになっている部分もありますが、年明けぐらいからいろいろ試験的に出していける感じです。Asakusaはあくまで問題解決を目的としたフレームワークなので、今のAsakusaでは解決できない問題を解決するための、次バージョンの開発という流れになっていますね。

■さらにその先へ分散並列バッチ処理での課題は、かなり見えているので、その対応策を実装しつつ、その一方でこの先の2-3年を先読みし、次に必要とされるものを準備しておくというのが今の社内での議論でもあります。

見ている点は「技術的な背景」と「社会的な背景」の二つの側面から見ている状態です。技術的には「クラウド」の本来的な位置付けと、現在の技術的なボトルネックの解決です。IOにしろ、なんにしろ「詰まる部分」は必ずあるので、その辺りの手当でしょう。これは多分どのベンダーでも同じだと思います。

社会的は背景については、・・・自分のブログは個人の世迷い言というのが建て付けですが、社内的な共通意識としての部分でもあります。その辺りも見つつ、今後の位置付けをどう考えるか?ということを常に考えている状態です。ことエンタープライズ・マーケットが変貌していくということについては、異論がある人は少ないと思います。そこでの「エンジニアリングの有用性」をどう出していくか?という点が焦点です。

■あと、以下は個人的な感想ですが・・・エンタープライズでのベンチャーのあり方は、多分「博打の張り方」がB2CやWeb系のスタートアップとでは違うだろうなと淡々と思っています。今日思いついて、明日実行して、明後日結果が出る、というのがWeb系の「スタートアップ」ですが、エンプラ系は、そうではないですね。仮説をそれなりに積み上げ、検証して、ある程度の基礎を積み上げて、その上で博打に出る、結果もそれなりに(半年〜一年)時間がかかる、というものではないかと思っています。低成長時代のエンプラ業界での博打の張り方はそれなりにあって、多分これは無茶な博打を沢山打った失敗の経験とそれなり準備した基礎とのコンビネーションではないかな、と。

まぁ、生き急ぐのは何かと世知辛い感じもします。一つ一つ積み上げた上での、勝負に出る博打というスタイルが趣味なので、そういう方向もありでしょう。やはりちゃんとしたものを作るには精鋭少人数で、それなりに時間がかかるということかと。

■ノーチラスの組織としての状況会社の内部的な話としては、いろいろあったのが今年の3月ぐらいだったので、まぁほぼ半年経過している状態です。落ち着いたかなという感じになっています。資本関係やら人間関係やらも一通り始末もついたので、「普通のITベンチャー」として普通に回っています、という感じになりました。福岡サイドのお客様にも折り合いをつけてもらい、フォローもそれなりにうまくいっている感じです。

参加メンバーの総意でもありますが、規模拡大は目指さないというのがノーチラスの目的の一つでもあります。その必要条件は、状況を見ながら臨機応変に対応していくことになるわけですが、その辺りは小さい組織+風通しのよさをベースにおいているので、うまく行っていると思います。

■まとめ
Hadoop->ビッグデータ->BI・分析という流れのなかでは、Asakusa/Nautilusの位置付けは、割と異色な存在ではありますが、狙ったわけではなく、結果そうなっただけです。そもそも、ノーチラスの特徴の一つは業務系へのコミットです。このあたりはまったく変わっていません。単純に流行に流されずに、やることやっていたらこうなった、そんな感じですね。

「そこに問題がある。だからITを使って解決する。」という基本スタンスは変わっていません。逆ではありません。「そこにITがある。だから問題を探す。」というのでは文字通り本末転倒です。それはやはり無理があるでしょう。奇をてらわずに普通に素直に考えたいですね。

今後も自分たちのペースでやっていく感じになるかと思いますが、関係各位方々には宜しくお願い申し上げます。OSSなんでいくらか還元できるかと。

そんな感じで。

・・・今年もあっという間に年末ですね。皆さん、ご自愛ください。でわでわ。