年始の抱負〜仕事の師匠から教わった事

2012年の始まりなんで。記録として書いておく。今年の抱負も含めて。
ちょうど会社も立ちあげたし、こんな事を書いても良い世代になってしまったと思うわけです。

えっと、自分が師匠とよべる人はふたりしかいなくて、しかも性格は正反対だった。しかしながら、二人とも仕事は異様にできた。あんなにできる人は今まで見た事がないし、今後も見ることは無いと思う。(今時「師匠」って言い方もどうかと思うが、他に適当な言い方もないし。死語ですけど。)

一人目の師匠は、掛け値なしの鬼軍曹だった。本気と書いてマジという位、本気で怖い感じだった。ついていける人はほとんどいなかったと思う。僕はたまたま仕事に集中して余計な事を考えたくなかった時期だったこともあって、ゾンビのように働いた。月の残業時間が400時間とかいう時もあった。(勤務時間ではない)

死ぬかと思った。

仕事のやり方は、もう軍隊のようだった。ミスしたら、ミスしないまでやり直し。電話の掛け方から、コピーの取り方まで、といったところからレポートの書き方まで。そのかわり、仕事のやり方は全部、明示的なものから黙示的なものまで全部教わった。今なら、ほぼ完全にパワハラでアウト、というか超絶ブラッキーな感じというか、なんかこうあり得ない感じだった。

まじで死ぬかとおもった。

ただし、その部署は日本でも最初のマーケットに挑戦するという職場だったので、とにかく、まったく想像もできない事がたくさんあった。今だと伝記を書くような人が、その辺歩いていたし、とんでもない凄い金額が動いていた。

その人からは「新しいことに挑戦するには、手を抜いてはいけない」ということを教わったと思う。その人は本当に手を抜かなかった。仕事は本来、(いつもそうあるべきだが、)徹底すべきであり、手を抜くべきではない。が、人間自分には甘いものだ。それを意図的に排除するのには、どうしたら良いか、ということを教わった。(あまりやり過ぎると人間壊れるということも教わったと思う)

二人目の師匠は、まじめに人望のあるひとだった。正確には自分の部署ではなく、他の部署のヘッドの人だったけど、いろんなプロジェクトを一緒にさせてもらって、明示的ではないけれども、いろんな事を教わった。なにしろ、死に体の部署にはいって、メンバー全員のモチベーションをあげた上に、アウトプットを、かなり上げていた。ものすごくハートが若い人で、先入観をつねに持たないように、心がけていた人だったと思う。先を見る目があり、とにかく課題に対して積極的に取り組んでいた。また、現状には決して満足していなかった人だった。(某業界では実は凄く有名な人で、日本人であれば誰もが知っている会社を立ちあげたメンバーの人だったようです。)

こういう人はあまりいないと思う。良くブログとか本とかで、凄いポジティブな人の話が出てくるが、基本的にそんな人に出会う事はほとんどない。実際、そんな人いるわけないでしょ、と思っていたので、こういう人も「実際にいる」というのはちょっと衝撃ではあった。

この人からは「新しいことに挑戦することには、解決できない課題をあきらめないことが大事だ」ということを教わった。もうとにかく、それ無理だから!ってことをあの手この手で、解決していった。この辺のしつこさは、本当に勉強になった。いや、もうとにかく呆れるほどしつこかった。

二人の性格は正反対であったけど、共通点も多かった。

1 常に働いていた。休んでいるときには、別の事を考えたり、常に先を事を考えていたように思う。それが自然なことのように振る舞っていた。

2 必ず自分の手を動かしていた。人にやらせるということではなく、実際に「自分で」作業を必ずしていた。報告書の作成とか社内への説明資料は、ほとんどは「社内営業」という割り切りで、形式的な報告書はほとんど作っていなかったように思う。

3 自分のスタッフは徹底的に守っていたと思う。社長だろうが、トップだろうが、何だろうが、あの手この手で横やりは排除していた。そのかわり、口調の度合いはともかく、スタッフには常にベストの姿勢(結果ではなくて)を要請したと思う。やる気のある人にはこれ以上の職場はなかったと思うし、逆に、やる気の無い人には恐ろしく居づらい職場でもあったような気がする。

4 上からの受けは決してよくなかった。男の嫉妬というものが確実にあった。どこに行ってもあるものではあるが、年齢に関係なく、こういう負の無意識をもつものが人間であり、それと戦うことは大変なんだな、ということもわかった。

僕がこの人たちから学んだ事は、「自分で手を動かせ」ということだと思う。例えば、机を動かすときに、「お前こっちもて、別のお前あっち持て」ということではなく、「俺はこっち持つから、お前をあっち持て」ということだと思う。

在籍していた会社、お客さんや取引先、いろんな人と仕事して、特にマネージメント層の人を見ていると、本当に手を動かさない人が多い。これは企業規模の大小を問わない。管理職以上になると、社内交渉が仕事の大半になるし、人を使うのが仕事だと割り切る必要も出てくるだろう。それが悪いとは思わない。しかし、「仕事ができる人」は、そういう人ではなかったと思う。

なので、自分は手は動かす。それができないようなら引退だと思う。でも、それが一緒にやっている人にとって負担になって居るようであれば、それもまた引退の潮時だと思う。そこまで、一緒に荷物をもって進みたいと思う。(あんた、やり過ぎって指摘があるのは自覚はしていますよ。一応。)

そういうことが肝心だと、僕は教わった。感謝している。
この文章を読んでいる人も「自分で手を動かして」頑張ってほしいわけです。

年初からアレですが、初心に返って、今年も頑張りたいと思う。
今年は自分のやるべきことをミスせずにやることが義務なので。