「テクノロジーとイノベーション」

難解で知られるブライアン・アーサーの新刊
「テクノロジーイノベーション―― 進化/生成の理論」
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%81%A8%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E2%80%95%E2%80%95-%E9%80%B2%E5%8C%96%EF%BC%8F%E7%94%9F%E6%88%90%E3%81%AE%E7%90%86%E8%AB%96-%EF%BC%B7%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC/dp/4622076217/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1317478432&sr=8-1

個人的に現時点で今年のMust本。
下手すっと、象本よりもMustだと思う。

テクノロジーを再定義して、
如何にイノベーションが発生するか
そもそもテクノロジーとはなんなのか?
という点を割と実証的に考察している。

個人的に、Hadoopやらなんやらの
変革についてのちょうど狭間にいる
感じなので、タイミング的にもあっていた。

ポイントは以下

1. 読みやすい。

かなり想定外に読みやすい。
下手すっと1-2時間で読める。
B・アーサーっていうと
例の複雑系経済学の騎手で
とにかく晦渋だった記憶もある。

が、読みやすく
しかもわかりやすい。ので
読むべきだと思う。

2. テクノロジーの定義

再帰的かつ構成的
また多層構造になっている。

・テクノロジーを組み合わせる
ことで新しいテクノロジーが生まれる。

・新しいテクノロジーが生まれるきっかけは、
ニーズなり問題解決の機会であり、
なにかの特殊な
「創造的な飛躍で生まれるモノではない。」ただし単純な積み重ねのリピートでできるものでもない。

・一定のドメイン領域が想定されており
ドメインの変革(または創造)が
起きることがある。
これがイノベーションにつながる

・そんなに短期ではない、が
長期でもない。まぁ4-5年のサイクルか?

などなど。割と詳細な事例を
積み重ねて論証している。

・・・まぁ現状に照らして言えば
Hadoopやら分散やらビックデータやらの
流れの説明にマッチしている。
何も新規性のある技術ではないし
わりと既存技術のつなぎ合わせから
発生しており、かつ
問題解決的であり、ドメイン変革を
引き起こしている。

個人的にはAsakusaの存在意義や
次の方向性についても示唆を得たような
気がする。

IT関係者はやっぱり読んでおいた方が良いと思うし
特にE/Uサイドの人は必携だと思う。
特に特に先に進もうと考えている人にお勧め。
凡百のノウハウ本よりもずっと示唆が得られる。

とりあえず